2025 10/6
ストレスチェックで“心の健康”を測って終わりにしていませんか?
年に一度のストレスチェック。
「結果は平均的です」と言われてホッとした人もいれば、
「低い項目が多くて気になる」と感じた人もいるかと思います。
でも、その結果を“見て終わり”にしてしまう人は少なくありません。
ストレスチェックは「健康診断」と同じで、状態を測るツールにすぎません。
大切なのは、状態を知り、自分の心がどんな反応をしているのかを丁寧に理解することです。
私たちは「ストレス=悪いもの」と捉えがちですが、
心理学的には、適応するための反応です。
たとえば新しい上司、迫る締め切り、プロジェクトを任された時に感じるストレスは、
うまく適応しようと「がんばっている」サイン。
それを無理に消そうとするより、何に反応しているのかを観察するほうが、実は健全なのです。
ストレスチェックの数値は、傾向を知るにはとても便利ですが、
「なぜそう感じるのか」という認知(ものの見方)までは教えてくれません。
たとえば、同じ「注意を受けた」場面でも、
「自分はダメだ」と感じる人もいれば、「次に活かそう」と受け止める人もいます。
この差を生むのが、思考のパターン=心のクセです。
認知行動療法では、このクセを自覚し、柔軟に修正する練習をします。
それが「メンタルの筋トレ」とも言われる所以です。
ストレスを感じた瞬間、「早く忘れたい」「切り替えよう」と思うのは自然です。
しかし、「感じる」ことを避け続けると、自分の内側のサインを読み取れなくなります。
焦り・怒り・不安といった感情と向き合うことで、
「どこまでがんばるか」「どこで休むか」の判断が正確になります。
ストレスチェックの結果は「心の声」を拾うための入口です。
認知行動療法やマインドフルネスのような方法を通して、
心の反応力を鍛えていくことが大切になります。
認知行動療法については、こちらをご覧ください。
▷ アイスも人生も味わう力─認知行動療法とマインドフルネス─